あなたのひと文字「高」

この字を使った言葉

高い・高める・気高い・高遠・高見・高明・高山景行・高山流水・高きに登るは卑きよりす・高下心に在り

この字の成り立ち

会意文字。「京」の省略と「口」とを組み合わせた形。「京」はアーチ型の都入り口の城門の形で、「口」は「さい」という祝詞を入れた器の形である。門の上に望楼(ものみやぐら)のある大きな城門で、古代ではその城門に祝詞を供えて悪霊などが入ってこないようお祓いすることを「高」といった。

望楼のある大きな城門であるから、「高」は「たかい、おおきい、すぐれる」の意味となった。

お神様とこの字

有名な祝詞のひとつ「大祓詞」の最初の一行は、「高天原に神留坐す(たかまのはらにかむづまります)」という文言で始まります。「高」という字で始まる「高天原」は、天神地祇の「天つ神」が治める世界で、「高(たか)」は物理的に高いという意味だけではなく、「尊い」「貴い」といった敬うべき存在という意味で、後に続く「天の原(あまのはら)」を修飾している言葉です。

他にも祝詞では「高き尊き恩頼(みたまのふゆ)を蒙り奉りて(かがふりまつりて)」など、ありがたい物事の形容詞として頻繁に使う文字です。

また、「家内安く、家門高く」(家内安全で栄えていきますように)など、高みを目指し繁栄するという意味でも使用します。

ただ地位が高いのではなく、本当の意味で「高明(志が高く清らかであること)」な、そうした大人になりたいものです。